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第40回健康医療ネットワークセミナー

「親子三代にわたるブラジル コロニア医療への貢献」

​日時:2017年10月19日(木)18時30分~20時

​講師:森口エミリオ秀幸 先生​(リオ・グランデ・ド・スール 連邦大学医学部内科学 教授)

参加費:1,000円(健康医療開発機構、未病社会の診断技術研究会会員は無料)

場所:東京大学医科学研究所 2号館大講義室 (港区白金台4-6-1)

 (※キャンパスマップ10番の建物です)

【講演概要】

 ブラジルに移住した日系移住者の治療、健康管理、疾病予防を行うため、毎年バスで巡回診療を行うブラジル在住日系人医師がいることをご存知でしょうか?なんと、毎年その移動距離は、日本一周分に匹敵する3,000km。
南ブラジル日系移住者のための巡回診療活動は、ブラジル在住日系人医師 森口エミリオ秀幸氏が親子三代に渡って受け継いでいる活動です。この年1回の診察を心待ちにしている沢山の日系移住者が居ます。ブラジルの日系移住者1世の方々は、ポルトガル語を話すことができず、現地の病院で診察を受けることができませんでした。そのような移住者の方のために、毎年およそ3,000km以上の距離を健診バスで巡回し、日本語による診察を行っているのが、森口秀幸氏です。


 1930年代に森口氏の祖父の細江静男氏がこの活動を始めて85年が過ぎました。現地ではブラジルのシュヴァイツァーと呼ばれていた細江氏は、1975年に亡くなるまでの間、日系移住者たちの健康を守るために一生を捧げていました。森口氏は、子供の頃から祖父の巡回診療に同行し、朝から晩まで寝る間も惜しんで一人ひとりに優しく丁寧に診察を行う祖父のたくましい姿を見て、自らも医学の道へ進みました。祖父の姿が今でも理想の医師像として心に残っています。祖父 細江氏が亡くなった後、父である森口幸雄氏が巡回診療を引き継ぎ、森口氏も父 幸雄氏を手伝いながら巡回診療に参加し、父 幸雄氏が80歳で現役を退いてからは三代目としてこの活動を受け継ぎました。


 この活動は国からの助成金が不十分だったため、過去数年は森口氏の私費で行われておりました。運営資金の調達は困難で、継続することが難しい状況に陥ったこともありました。やっと、この活動に対する認知度も僅かですが上がり、森口氏を支援する企業や団体も生まれました。そうした支援者のサポート、森口氏が客員教授等として携わる日本国内の大学の支援もあり、2年前に(日本国)外務省の援助を受けて故障も多かった健診バスも新調されるまでに至りました。現在は、日本からの医学生の研修機会(横浜市立大学医学部及び防衛医科大学校医学部の「ブラジル日系永住者巡回診療健診実習」)にまで育った森口氏の巡回診療活動ですが、まだまだその活動は人的、物的、資金的にも困難は絶えない状態です。


森口氏の活動に理解・賛同をいただき、支援の輪を広める機会になれば幸いです。

【プロフィール】

1958(昭和33)年1月東京生まれ、1967(昭和42)年ブラジルに永住

現在:リオ・グランデ・ド・スール 連邦大学医学部内科学教授

   リオ・グランデ・ド・スール 連邦大学医学部付属病院内科部長

学歴:1982年 ブラジル連邦大学医学部 卒業

   1991年 医学博士号 取得(東海大学医学部、指導教員:五島雄一郎教授)

   1991-2012年 リオ・グランデ・ド・スール カトリック大学 老年医学研究所教授

   アメリカ合衆国ノースカロライナ Bowman Gray School of Medical of Wake

 

Forest University Post-Doctoral Fellowship(1991-1994年)

1996-2006年 世界保健機関(WHO)老年病予防国際共同研究センター長

2000-2004年  国際動脈硬化学会理事

 

研究分野: 脂質代謝(HDL代謝)、動脈硬化、老年医学 

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