第63回健康医療ネットワークセミナー

 

「医療・ヘルスケアを変革するデジタルテクノロジー」

(4回シリーズ第1回)


「デジタルメディスン開発の現状と規制科学を含めた日本の取り組み」

  辻井惇也氏 (日本製薬工業協会 医薬産業政策研究所 主任研究員)

「デジタル技術を活用した持続可能な医療」

 上野太郎氏 (SUSMED, Inc 代表取締役社長)

 

日時:2022年12月10日(土)15時~17時​(質疑応答を含む)        

開催方法:オンライン講演会(Webによる開催)

※視聴方法は開催前日までにお知らせします 。

​参加費:1,000円(但 健康医療開発機構会員、未病社会の診断技術研究会会員、学生は無料)

【講演タイトル&概要】

●「デジタルメディスン開発の現状と規制科学を含めた日本の取り組み」

 急速なデジタルテクノロジーの進展を背景に、医療・ヘルスケアのあり方は、従来の「治療中心」から「予防、診断、予後に至るライフコース全体」へ、そして「画一的な医療」から「個別・層別化された医療」へと変わりつつある。そのような中、わが国においても、主に一般消費者に向けた健康増進ツールであるデジタルヘルスのみならず、臨床的エビデンス基づき、人間の健康状態のモニタリング等に用いられるデジタルメディスンや治療的介入等を提供するデジタルセラピューティクス(DTx)等、様々なソリューションの開発・利用が進み始めており、日常生活のあらゆる場面で個人の健康をサポートすることが期待されている。

 本講演では、デジタルテクノロジーがもたらす医療・ヘルスケアへの影響を概観した後、グローバルにおけるデジタルメディスン(DTx含む)の研究開発動向の調査結果を踏まえ、日本の開発の現状を考察する。また、デジタルメディスン開発を加速するわが国の施策(規制科学の面を含む)を紹介し、デジタルメディスンの活用が拡がる未来に向けた取り組みを考えたい。

辻井淳也略歴

2011年に国内製薬会社へ入社し、以降、研究開発部門において、製剤研究に従事。

2021年4月より日本製薬工業協会 医薬産業政策研究所に出向し、「データ駆動型ヘルスケアにおけるデジタルメディスンと健康医療データの利活用」に関する調査・研究を行う。

「デジタル技術を活用した持続可能な医療」

 医療を含む様々な産業界において、デジタルトランスフォーメーションが求められ、情報技術の活用による生産性向上が期待されている。
モバイル端末やウェアラブルデバイスをはじめとした情報技術の活用により、急性疾患・慢性疾患の患者状態を地理的・時間的制限を設けることなくモニターし、介入することが可能になると期待される。
日本においても2021年の政府成長戦略にて重点領域としてプログラム医療機器が盛り込まれ、2022年の診療報酬改定にてプログラム医療機器等医学管理加算が新設された。
情報技術の医療への活用が期待される一方で、サイバーセキュリティやデータ利活用のための信頼性担保と分析、法規制への対応など、解決すべき課題も山積している。
 我々は、医師・エンジニア・臨床開発・データサイエンティスト・デザイナー・事業開発などの多職種からなるチームで、
プログラム医療機器のほか、機械学習による自動分析システム、ブロックチェーン技術を用いた臨床開発システムなどを構築してきた。これらのシステムをアカデミアや企業で活用するとともに、内閣府規制のサンドボックス制度を活用した新規技術の社会実装について省庁との議論を行い、
効率性の高い医療の実現に向けた研究開発を進めている。デジタル技術を活用した産学官連携による医学研究の事例を紹介し、将来の医療における今後の展開について議論したい。

 

上野太郎略歴

医師・医学博士
精神医学・神経科学分野を中心とした科学業績を有し、臨床医として専門外来診療も継続。
井上研究奨励賞、武田科学振興財団医学系研究奨励、内藤記念科学奨励金・研究助成、肥後医育振興会医学研究奨励賞など受賞。
日本睡眠学会評議員、経済産業省ヘルスケアIT研究会専門委員、日本脳科学関連学会連合産学連携諮問委員。